HOPE STYLEスタッフコラムリノベーションマンションのデメリットを知って後悔しない選び方と購入前の注意点

スタッフコラム

2025.06.24 NEW

リノベーションマンションのデメリットを知って後悔しない選び方と購入前の注意点

リノベーションマンションは、「新築より安く」「内装は最新」といった魅力から、多くの人に選ばれる住宅選択肢の一つです。しかし、その裏側には見逃せないデメリットやリスクが潜んでいることも事実です。築年数の古さに伴う構造的な不安や、見た目は新しくても内部に老朽化が残っている可能性など、表面的な情報だけでは分からない注意点が多数存在します。

本記事では、リノベーションマンションの購入を検討する方に向けて、具体的なデメリットとその対処法、メリットと安全な選び方までを詳しく解説します。失敗しないために知っておくべき知識を、専門的な視点からわかりやすくまとめました。購入前に確認すべきポイントを把握し、後悔のない選択を目指しましょう。

目次

リノベーションマンションのデメリットを理解するためにリノベーションの基本を知っておこう

リノベーション物件とは何か?新築との違いを整理

リノベーションマンションという言葉を耳にすることが増えていますが、その実態を正しく理解している人は意外と少ないかもしれません。住宅購入を検討する上で、この「リノベーション」という言葉の意味を曖昧なままにしてしまうと、見た目や価格だけで判断し、思わぬ落とし穴にはまってしまうことがあります。

そもそもリノベーションとは、中古の住宅やマンションに対して、単なる修繕ではなく、間取りや設備を一新し、機能やデザイン性を現代のライフスタイルに合わせて向上させる工事を指します。たとえば、昔ながらの独立キッチンをアイランド型に変えたり、狭かった浴室を広げたりと、住まいの使い勝手や快適さを根本から改善するのが特徴です。

一方、新築マンションは、建物そのものが最新の建築基準や設備に基づいて新たに建てられたものであり、すべてがゼロから設計・施工されるため、耐震性・省エネ性能・防音性といった現代的な性能が担保されています。それに対し、リノベーションマンションはあくまで「既存建物ありき」の改修であるため、構造体や共用部分は築年数相応である点に注意が必要です。

このように、表面上は「きれい」で「おしゃれ」に見えるリノベーションマンションでも、新築と比較すると根本的な部分で異なる点が多くあります。新築同様の仕上がりを求めて購入してしまうと、後に「想像していたものと違う」と感じる可能性もあるのです。

リノベーションマンションを選ぶ際には、「見た目の美しさ」だけでなく、「構造的な性能」や「工事範囲の実態」にも注目し、総合的に判断する視点が欠かせません。新築との違いを正確に理解したうえで、価値ある物件選びを目指しましょう。

リノベーションマンションの主なリノベーション範囲

リノベーションマンションの魅力のひとつは、「新築のような美しい内装を、より手頃な価格で手に入れられる」という点です。しかし、その裏側には、どこまでの範囲が実際にリノベーションされているのかという重要なポイントがあります。見た目が美しいだけで、内側は築30年のまま、というケースも少なくないのです。

リノベーションの範囲は、物件によって大きく異なります。たとえば、フルリノベーションと呼ばれるものは、天井・床・壁だけでなく、水回りの配管、電気配線、断熱材まで含めて全面的に改修が行われるケースです。このような物件では、住まいとしての基本的な性能が大きく向上しており、長期的な安心感を得ることができます。

一方で、表面的な部分だけを一新する「表層リノベーション」も数多く流通しています。これには、壁紙の張り替えや床材の交換、キッチンや浴室設備の入れ替えなどが含まれます。見た目は美しく生まれ変わっていますが、実際には、配管や電気容量が旧式のままで、目に見えない部分に老朽化のリスクが潜んでいるのです。

さらに注意すべきは、売主や施工会社がどのような品質管理をしているかという点です。同じ「リノベーション済み」という表示でも、業者によって仕上がりや信頼性に大きな差があります。悪質なケースでは、最低限の手直しだけをして高値で売り出していることもあります。

このようなリスクを避けるためには、工事内容の詳細が記載された「工事報告書」や「保証書」の有無を確認し、必要であれば専門家にインスペクション(住宅診断)を依頼することも検討しましょう。特に築年数が30年を超えるような物件の場合は、配管・構造部・断熱性能といった目に見えない部分にこそ、しっかりとした対応が求められます。

リノベーションの範囲を正確に把握することは、購入後の満足度を左右する重要な要素です。「新しく見えるから大丈夫」と安易に判断するのではなく、「どこまで更新されているのか」「手つかずの部分はどこか」を具体的に確認しておくことが、後悔のない物件選びにつながります。

リノベーションマンションのデメリットにはどんなものがある?7つの具体的欠点

1. 耐震基準が古い可能性がある

日本は地震大国であり、住宅選びにおいて「耐震性」は最も重要な基準のひとつです。しかし、リノベーションマンションの多くは築年数が古く、1981年以前に建築された旧耐震基準の建物が少なくありません。見た目がいくら新しくても、建物全体の耐震性能が不足していれば、災害時の安全性に大きな不安が残ります。

旧耐震基準の建物は震度5程度を想定して設計されており、阪神淡路大震災や東日本大震災クラスの揺れには耐えられない可能性が高いのです。しかも、リノベーション工事では内装や設備が中心であり、構造体の補強はコストや工事規模の面から行われていないことが一般的です。

耐震性に不安を感じながら生活を続けることは、心理的にも大きなストレスとなります。購入を検討している物件が旧耐震基準に該当する場合は、「耐震診断を実施済みか」「耐震補強工事が行われているか」を必ず確認しましょう。万が一、証明書類や記録が提示できない場合は、再検討も視野に入れるべきです。

命と財産を守るためには、「築年数」だけでなく「建築基準の適用年」「補強の有無」といった事実を明らかにし、安全性を判断材料とすることが欠かせません。

2. 電気容量が現代基準に合っていない場合がある

現代の生活は、以前とは比較にならないほど多くの電化製品に囲まれています。エアコン、IHコンロ、食洗機、浴室乾燥機、スマート家電など、1家庭あたりの電気使用量は年々増加しています。しかし、築年数の古いマンションでは、当時の暮らしを前提とした電気容量で設計されており、現在の電気需要を十分に賄えないことがあります。

たとえば、同時に複数の家電を使用した際にブレーカーが落ちる、電圧不足でIHが動作不安定になるといったトラブルが、購入後に発覚するケースもあります。特にリノベーション済みマンションでは、内装や設備が最新に見えても、配線や分電盤が旧式のままということも珍しくありません。

こうした問題を未然に防ぐには、電気容量が何アンペアに設定されているのか、電気配線は新しくなっているのか、分電盤の容量増設が可能かなど、購入前に管理会社や施工業者に詳細を確認することが重要です。

仮に容量が不十分であった場合でも、工事により増設できる場合がありますが、その費用や手続きは買主側の負担となるため、コストと手間がかかる点を理解しておきましょう。

3. 断熱性が低く光熱費がかさむケースも

見た目がどんなに美しくても、住宅としての快適性を大きく左右するのが「断熱性能」です。築年数の古いマンションでは、断熱材が使用されていなかったり、窓が単板ガラスのままだったりと、断熱性に欠ける仕様である場合が非常に多いです。こうした物件では、夏は暑く冬は寒いという温熱環境になりやすく、冷暖房効率が著しく悪化します。

その結果として、エアコンを使ってもなかなか室温が安定せず、冷暖房を長時間使用することになり、月々の光熱費がかさんでしまうという不満が発生します。これは、毎月の固定支出に関わる重要な要素であり、「購入価格が安い」というメリットを帳消しにしてしまうほどの負担になることもあります。

購入を検討する際には、以下のポイントを確認しておくと良いでしょう。まず、壁や天井、床に断熱材が施工されているか。次に、窓が二重サッシや複層ガラスになっているかどうか。加えて、給湯器や空調機器の効率性なども併せてチェックすると安心です。

快適で経済的な生活を実現するためにも、断熱性能は「見えないけれど非常に重要な性能の一つ」であると認識することが必要です。

4. 見えない老朽部分の不具合リスクがある

リノベーションマンションの最大の落とし穴のひとつは、目に見えない部分に潜む老朽化のリスクです。たとえば、壁の中にある給排水管、床下の木材、電気配線などは、内装がどれだけ美しく仕上げられていても、古いまま残されているケースが少なくありません。

これらの部分に劣化があると、入居後に水漏れ、配管の詰まり、漏電といったトラブルが発生し、再び高額な修繕費用が必要になる可能性があります。しかも、表層リノベーションでは工事範囲が限られるため、こうした「隠れた問題」は施工段階でも見落とされていることがあります。

このようなリスクを減らすためには、以下のような確認が有効です。まず、リノベーション内容に配管や構造補修が含まれているかどうか。次に、工事を行った施工会社の説明責任が果たされているか。さらに、第三者機関による住宅診断(インスペクション)を活用することで、購入前に客観的な評価を得ることができます。

見えない部分だからこそ、徹底した確認が必要です。表面的な仕上がりだけでは判断せず、長期的な視点で物件の品質を評価しましょう。

リノベーションマンションのデメリットが出やすい物件の特徴

築年数が古く構造に不安がある物件は要注意

リノベーションマンションを選ぶうえで見落としがちなポイントのひとつが、「築年数による構造上の不安」です。外観や内装がきれいに整っていると、築40年、50年といった情報もあまり気にならなくなるかもしれません。しかし、建物の寿命は見た目で判断できるものではなく、構造体の劣化が進行している可能性も高いため、築年数は購入判断において極めて重要な要素です。

特に、築年数が40年以上経過しているマンションの場合、鉄筋コンクリートの中性化や鉄骨の腐食、基礎部分のひび割れといった深刻な劣化が発生している可能性があります。たとえリノベーション工事が施されていても、それはあくまで内装部分の再生にとどまるものであり、構造体の補修や補強がなされていないケースでは、建物自体の寿命に変化はないのです。

また、古い建物では、施工当時の技術や材料が現在の基準とは異なっていることが多く、今の居住ニーズに合わない仕様となっていることもあります。たとえば、天井が低く圧迫感を覚える、間取りが細かく分かれていて開放感がない、エレベーターが設置されていないなど、使い勝手に大きな差が出ることも。

このようなリスクを避けるためには、築年数だけでなく、「建物の維持管理状況」や「修繕履歴」、「長期修繕計画の有無」といった管理面の情報も含めて確認することが必要です。さらに、構造部分の補修や補強が行われているか、または今後の予定があるかどうかも大切なチェックポイントです。

購入時には、施工会社や不動産会社に対して「この建物の構造耐久性についてどのような確認を行っているか」をしっかり問い、根拠となる資料を提出してもらうことをおすすめします。築古物件にはそれなりの魅力もありますが、構造的な不安を抱えたままでは、長く安心して住むことはできません。築年数と構造の健全性のバランスを見極めることが、成功するマンション選びの鍵となります。

リノベーション範囲が部分的なケースも多い

リノベーションマンションの中には、「表面だけをきれいにしただけ」の物件が数多く存在します。これらは一見すると魅力的に見えるかもしれませんが、よくよく確認するとリノベーション範囲が極めて限定的であり、購入後に思わぬ不便や修繕費用の負担に直面するリスクがあります。

たとえば、壁紙の張り替えやフローリングの交換だけが行われているケースでは、内部の配管や電気設備、断熱材などはそのままになっていることが一般的です。こうした物件では、見た目には新しくなっていても、内部の老朽化が進んでおり、数年以内に大規模な修繕が必要になる可能性が高いのです。

さらに、水回り設備の入れ替えだけをもって「フルリノベーション」と謳っているようなケースもあります。設備交換だけでは、給水・排水管の状態までは改善されていないこともあり、結果として水漏れや詰まりなどのトラブルを招くことがあります。表層の美しさだけで判断してしまうと、こうした隠れたリスクに気づかないまま購入してしまう恐れがあるのです。

このような事態を防ぐためには、物件選びの段階で「リノベーション工事の範囲」を詳細に確認することが欠かせません。具体的には、施工箇所・使用された資材・更新された設備の一覧・配管や電気系統への対応などを記載した工事報告書の提示を求めることが重要です。可能であれば、現場担当者と直接会い、どのような工程が行われたかを聞くことで、信頼性も判断できます。

また、「適合リノベーション住宅」の認定を受けている物件であれば、一定の基準を満たしていることが保証されているため、品質面での安心感が得られます。そうでない場合には、第三者の建築士や住宅診断士に依頼して、客観的な目で物件を評価してもらうことも検討しましょう。

リノベーションの本質は「見た目の美しさ」ではなく、「住まいとしての機能回復と向上」です。部分的な手直しにとどまる物件は、長期的なコストと満足度の両面でリスクが大きくなるため、表面の印象に惑わされず、確かな情報と根拠をもとに判断する姿勢が求められます。

リノベーションマンションのデメリットを補う購入前の確認ポイント

リノベーションの施工範囲と費用を詳細に確認する

リノベーションマンションは「新築同様の美しさ」が手頃な価格で手に入ることから、魅力的な選択肢に映ります。しかし、見た目だけで判断してしまうと、後に「ここまでしか工事していなかったのか」と後悔するケースも少なくありません。特に注意が必要なのが、施工の範囲とその内容です。

実際のところ、リノベーション物件の中には施工範囲が非常に限定的なケースもあります。たとえば、キッチンやトイレなどの水回りだけを新調し、壁紙と床材を交換する程度の「表層リフォーム」であるにもかかわらず、「フルリノベーション」として販売されていることもあります。これでは、築年数による劣化が進んだ配管・電気系統・断熱材・構造体など、見えない部分が手付かずのまま残されることになります。

このような物件を見抜くためには、施工範囲を具体的に記載した「工事報告書」や「図面」を確認することが必要です。たとえば、「給排水管はどこまで交換したか」「分電盤の容量はどうなっているか」「断熱材の有無」「床や壁の下地は補強されたか」といった情報は、信頼できる業者であればきちんと開示してくれるはずです。

また、工事費用の妥当性にも注目しましょう。物件価格の中にリノベーション費用が含まれている場合でも、その内訳が不透明だと、本当に必要な工事が行われているのか判断できません。複数のリノベーション物件を比較する中で、「似たような仕様なのに価格に大きな差がある」という場合は、施工範囲や品質に違いがある可能性が高いです。

購入後に追加費用が発生しないよう、施工範囲と費用の妥当性を事前に細かくチェックすることが、安心して暮らすための第一歩となります。

耐震基準や住宅保証の有無をチェック

安全性の確保は、住宅購入における最優先事項のひとつです。どんなに内装が洗練されていても、耐震性に問題があれば、万が一の災害時に命を守ることができません。特に、築古マンションをリノベーションした物件では、建築当時の耐震基準に従って建てられていることが多く、現在の耐震基準を満たしていないケースもあります。

耐震性を判断するには、建物が「新耐震基準(1981年6月以降の基準)」に基づいて建築されているかどうかを確認することが第一です。ただし、それだけでは不十分です。新耐震基準に該当していたとしても、実際の建物の状態が劣化していたり、地盤や構造に問題がある場合もあるため、「耐震診断の実施状況」「補強工事の履歴」も併せて確認する必要があります。

加えて、購入後の万一に備えて「住宅瑕疵保険」や「リノベーション工事の保証」が付いているかどうかも、非常に重要な確認ポイントです。これらの保証がある場合、万が一の不具合や欠陥が発覚しても一定の補償が受けられるため、費用負担を大きく減らすことができます。逆に、保証がない場合、トラブルが発生してもすべて自己負担となり、大きな出費を招く可能性があります。

このように、見えない部分のリスクをカバーするには、「耐震性能の確認」と「保証制度の有無」の2点をしっかりチェックし、安全性と将来の安心を確保しておくことが非常に重要です。

アフターサービスや設備保証の内容を把握

リノベーション済みマンションの中には、キッチン、浴室、トイレなどの住宅設備がすべて新品に交換されている物件も多くあります。これ自体は大きなメリットですが、設備の初期不良や施工ミスが後から発覚するケースもあるため、アフターサービスと保証の内容を事前に確認しておくことが不可欠です。

たとえば、設備機器はメーカーの保証が1年〜5年程度付いていることが一般的ですが、設置工事が原因で発生した不具合は保証の対象外となることもあります。この場合、リノベーション業者独自の保証があるかどうかが重要になります。信頼できる業者であれば、「施工保証○年」「アフター点検付き」といった制度を整えているはずです。

また、万が一の際にどのような対応が取られるのか、たとえば「連絡後、何日以内に現地調査を行うか」「修理費はどこまで無料か」など、保証内容の具体的な条件を事前に説明してもらうことが大切です。契約時には口頭での説明だけでなく、書面として保証内容を確認・保管しておくようにしましょう。

加えて、管理会社や施工業者の評判や口コミ、過去のトラブル履歴などを事前に調査しておくことで、実際の対応力や信頼性をある程度見極めることも可能です。特に、購入後に急に連絡がつかなくなるような業者を選んでしまうと、どんなに保証が記載されていても意味を持たなくなります。

快適に、安心して暮らすためには、ただ設備が新しいというだけでは不十分です。その後のサポート体制や責任の所在まで含めて、事前に確認しておくことで、リスクを最小限に抑えることができます。

リノベーションマンションのデメリットと向き合いながらも得られるメリット

新築よりもリーズナブルな価格で購入できる

住宅購入において、もっとも現実的な課題の一つが「価格」です。都市部では特に、新築マンションの価格が高騰し続けており、予算内で希望のエリアに住まいを構えることが年々難しくなっています。そんな中、リノベーションマンションは、購入費用を抑えながらも一定のクオリティを手に入れられる選択肢として注目されています。

リノベーションマンションは、ベースが中古物件であるため、新築と比べて販売価格が2割〜4割程度安くなるケースも珍しくありません。たとえば、新築マンションが5000万円を超えるエリアであっても、同等の立地・広さで4000万円以下で購入できる物件が見つかる可能性があります。この価格差は非常に大きく、住宅ローンの月々の返済額や返済期間に大きな影響を与えます。

また、低価格だからといって必ずしも質が劣るというわけではありません。内装や設備は最新仕様で整えられており、プロの設計者によるおしゃれな空間が手に入ることもあります。費用を抑えながら、快適でデザイン性のある暮らしを実現できるのは、リノベーションマンションならではの大きな魅力です。

もちろん、前述したようにリスクを正しく理解し、事前確認を怠らないことが前提ですが、コストパフォーマンスを重視する人にとっては非常に合理的な選択肢であることは間違いありません。

立地が良く、即入居できる物件が多い

住まいの価値は、建物そのものだけでなく「立地条件」によっても大きく左右されます。どれだけ美しい住宅でも、最寄駅まで遠かったり、日常の買い物に不便な場所では暮らしの質が下がってしまいます。この点、リノベーションマンションは、立地条件の良い物件が数多く存在している点が非常に魅力的です。

そもそも中古マンションの多くは、1970年代〜1990年代にかけて開発が進んだ「駅近」「商業施設が充実」「教育機関が整備された」都市部や住宅街に位置していることが多く、利便性が高いエリアに豊富に分布しています。これに対し、新築マンションは土地取得のコストや開発制限などの影響で、郊外ややや不便な場所に建てられることが増えています。

さらに、リノベーション済みマンションは既に工事が完了しているため、契約後すぐに入居できるというメリットもあります。新築マンションの場合は、完成までに数ヶ月〜1年以上の時間がかかるケースもありますが、リノベ済み物件であれば内覧時に実際の状態を確認したうえで、短期間で引き渡しを受けることが可能です。

転勤や出産、子どもの進学など、ライフイベントのタイミングに合わせて「すぐに住める家が必要」という場合には、リノベーション済みマンションが非常に有効な選択肢となります。

デザイン性や設備面の新しさは魅力

リノベーションマンションのもうひとつの大きな利点は、「自分ではなかなか実現できないデザインや設備が、あらかじめ整っている」という点にあります。特に、インテリアのセンスやリノベーション設計に自信がない方にとっては、プロが手掛けた内装はそのまま住めるクオリティの高さがあります。

多くのリノベーション済み物件では、無垢材のフローリング、モルタル仕上げの壁、アイアン素材の建具など、個性と洗練を兼ね備えた空間が提供されています。また、最新式のシステムキッチンや浴室乾燥機付きユニットバス、節水トイレ、スマート照明など、設備面でも新築に引けを取らない仕様が導入されているケースがほとんどです。

これにより、リノベーション済み物件であっても「築古住宅を買った」という感覚はなく、「まるで新築のような新鮮な生活」をスタートさせることができます。時間や費用の都合で「自分でフルリノベーションをするのは難しい」という人にとって、完成された快適な空間がすぐに手に入るのは大きな利点です。

さらに、物件によっては建築家が監修したり、テーマ性を持たせた特別な空間づくりがなされていたりと、普通の新築では出会えないようなユニークな住まいに出会えることもあります。

このように、リノベーションマンションは、ただ価格が安いだけでなく、「立地」「入居スピード」「デザイン性」「設備の先進性」といった多面的な魅力を併せ持っているのが特徴です。デメリットを正しく把握し、納得したうえで選ぶことができれば、非常に満足度の高い住まい選びになるでしょう。

リノベーションマンションのデメリットを理解した上でおすすめの選び方

適合リノベーション住宅を選ぶことで安心度が増す

リノベーションマンションの購入に際して、「どの物件を選べば失敗しないか」という問いは、多くの人が抱える不安です。その中で、もっとも明確な“安心の指標”の一つとなるのが、「適合リノベーション住宅」の認定を受けているかどうかという点です。

適合リノベーション住宅とは、国交省のガイドラインに基づいた一定の品質基準を満たしている住宅のことを指し、一般社団法人リノベーション協議会などが認定しています。この認定を受けるには、構造・設備・配管などの更新が一定以上の水準で行われていること、瑕疵保険が付保されていること、第三者機関による検査をクリアしていることなど、いくつもの条件を満たさなければなりません。

これにより、「見た目はキレイだけど中身はボロボロ」というような表層的リノベ物件を避ける手がかりになります。特に、初めて物件を購入する人や建築知識に自信がない方にとって、こうした制度があることで選ぶ基準が明確になるのは非常に心強いはずです。

一方で、すべての優良物件が適合リノベーション住宅として認定されているわけではないことも事実です。そのため、「適合であるかどうか」を唯一の判断材料にするのではなく、あくまで「安心を得るための一指標」として活用し、そのうえで個別の物件情報を細かく精査する視点が求められます。

判断に迷った際は、「適合リノベーション住宅」から物件探しを始めることで、大きな失敗のリスクを避けやすくなります。

修繕積立金や共有部分の管理状況も確認

リノベーションマンションを購入する際に見落としがちですが、非常に重要なのが「マンション全体の管理状況」、とくに「修繕積立金の額と使用履歴」「共用部分の維持状態」です。どれだけ専有部分がきれいにリノベーションされていても、マンションの資産価値や居住の快適性を左右するのは、むしろ共有部分の状態です。

たとえば、エントランス、エレベーター、外壁、屋上、給排水管などの共用部分は、住人全体で維持・管理していくことになります。ここが老朽化していたり、メンテナンスが後手に回っていたりすると、将来的に大規模修繕が必要になり、その費用が一斉に住人へと請求されることになります。

修繕積立金が安く設定されている物件は一見魅力的に感じるかもしれませんが、実はそれが将来の“爆弾”になりかねません。適切な修繕が行われていなければ、資産価値が維持されないばかりか、再販時の価格も落ちやすくなります。また、管理組合が機能していない、住民の合意形成が取れないといった場合も、今後の住まいづくりに大きな不安が残ります。

具体的なチェックポイントとしては、以下のような資料を確認することが有効です。

  • 長期修繕計画が作成されているか

  • 管理費・修繕積立金の使途明細と過去の実施状況

  • 定期的な理事会や総会が開催されているか

  • 清掃やゴミ出しルールなど、日常の管理体制が整っているか

これらの情報は、仲介業者や管理会社に問い合わせることで確認可能です。住まい選びは「自分の部屋のこと」だけではなく、「マンションという共同住宅全体の価値と将来性」を見ることが欠かせません。長期的な資産価値を守るためにも、共有部分の管理状況にもしっかり目を向けましょう。

リノベーションマンションのデメリットを把握し理想の住まいを手に入れるために

リノベーションマンションは、新築よりも手頃な価格でありながら、現代的な内装や設備を備えている点が魅力です。しかしその一方で、耐震性や電気容量、配管の老朽化など、表面からは見えにくいリスクが潜んでいることもまた事実です。購入後に後悔しないためには、これらの「見えにくいデメリット」を事前に正しく把握することが欠かせません。

特に注意すべきは、建物自体の寿命や構造的な健全性です。築年数が40年以上の物件であっても、内装を一新すれば新築のように見えますが、構造や配管などに不具合が残っていれば、数年後に多額の修繕費が発生することもあります。見た目の美しさや価格の安さに目を奪われず、必ず「施工範囲の確認」「保証の有無」「マンション全体の管理状態」など、客観的な情報を基に判断しましょう。

また、メリットも正しく認識しておくことで、自分にとって最適な物件かどうかが見えてきます。価格が抑えられているからこそ、都心や駅近といった好立地に住めるチャンスが広がり、すでに完成された内装によって、引っ越し直後から快適な生活をスタートすることも可能です。これらは新築物件ではなかなか得られない利点です。

リノベーションマンション選びで失敗しないためには、「情報収集」「現地確認」「信頼できる専門家への相談」の3つを徹底することが鍵です。時間をかけて調査することで、安さの裏にあるリスクを避け、逆にその価格の魅力を最大限に活かすこともできるでしょう。

理想の住まいとは、「安心して長く暮らせる家」であり、「暮らしやすさと資産性が両立している家」です。リノベーションマンションは、その理想を叶えるための有力な選択肢になり得ます。デメリットを正しく把握し、自分の価値観とライフスタイルに合った物件を見極めることで、後悔のない住宅購入を実現しましょう。

 

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