HOPE STYLEスタッフコラム中古マンション購入時の消費税はどのようなときにかかるのか仕組みと判別方法を徹底解説

スタッフコラム

2025.06.17 NEW

中古マンション購入時の消費税はどのようなときにかかるのか仕組みと判別方法を徹底解説

中古マンションの購入を検討している方にとって、「消費税がかかるのかどうか」は非常に気になるポイントです。物件の価格表示や売主の属性によって、消費税の有無が変わるため、正しい知識がなければ余分な費用が発生したり、後から後悔してしまうリスクもあります。特に法人が売主の場合には建物価格に消費税が課税される一方、個人売主であれば非課税となるケースが多く見られます。また、消費税の有無は住宅ローン控除の条件や金額にも影響するため、税制上の優遇を受けられるかどうかも左右されます。本記事では、中古マンション購入時における消費税の基本から、見極め方、税金への影響までをわかりやすく解説し、安心してマイホーム購入が進められるようにサポートします。

中古マンションの購入に消費税がかからないケースを理解しよう

中古マンションの購入を検討している方にとって、「消費税がかからないケース」は非常に気になるポイントです。結論からいえば、中古マンションは売主が個人である場合、原則として消費税が課税されません。これを正しく理解することで、無駄な支出を避け、より安心して物件選びを進めることができます。

中古マンションにおける消費税の扱いは、新築マンションと異なりやや複雑です。その背景には、不動産取引における「誰が売主か」「どういう立場で売却しているか」が大きく関係しているからです。特に個人が売主の場合には、課税対象となる事業活動ではないとみなされるため、消費税がかかりません。このことを知っているだけでも、物件選定の基準が大きく変わるはずです。

では、どのような仕組みで非課税になるのか、どのように見極めるのか、ここからさらに詳しく説明していきます。

消費税の基本的な仕組みとは

消費税とは、物やサービスを消費する際に広く課される税金です。日本では現在、標準税率は10%となっており、商品やサービスを提供する「事業者」に対して課される税金となっています。つまり、個人が日常的に売買しているモノの取引とは異なり、ビジネスとして行われる取引に対して課税されるのが原則です。

不動産の世界においてもこの原則は当てはまります。新築住宅を建築し販売するハウスメーカーや、不動産会社が仕入れた物件を再販する場合などは、法人が売主であり、課税事業者として消費税の納税義務があります。したがって、物件価格には必ず消費税が上乗せされて提示されます。

一方で、個人が自宅として利用していた中古マンションを売却する場合は、あくまで私的資産の譲渡であり、これに消費税を課すことはありません。たとえ数千万円の取引であっても、それが事業活動でなければ非課税となるのです。

このように、消費税は「課税事業者の提供する課税対象となる取引」にのみ発生するという原則を理解しておくことが、不動産購入時の判断に役立ちます。

個人の売主と個人の買主の取引なら消費税は非課税

中古マンションの売主が個人である場合、その物件価格には消費税が含まれていないケースが一般的です。これは、個人の資産の売却が消費税の課税対象外であるためです。特に、長年自宅として利用してきたマンションを手放すような場合、売却行為自体に「事業性」が認められないため、非課税取引として扱われます。

また、買主も個人である場合、売買契約そのものが消費者間の契約となり、さらにシンプルです。不動産仲介会社を通して行われる場合でも、売主が個人である限り、物件そのものの価格には消費税は発生しません。ただし、仲介手数料などのサービスに対しては課税される点は忘れてはいけません。

消費税がかからないことのメリットは明確です。物件価格に消費税が上乗せされないため、同じような条件の物件でも、法人売主の課税物件より購入総額が抑えられることがあります。特に、ローンを活用する場合など、初期費用の面で大きな差が出る可能性があるため、非課税物件のメリットは非常に大きいと言えます。

しかしながら、消費税がかからないことには注意点もあります。たとえば、住宅ローン控除の控除額に違いが出る場合があり、税制面での優遇措置が一部制限される可能性もあるため、購入前に専門家と相談することが望ましいでしょう。

このように、売主が個人である場合の中古マンション取引では、消費税がかからずに済むという大きなメリットがあります。ただし、価格だけに注目するのではなく、総合的な条件や費用、税制への影響も含めて冷静に判断することが重要です。

中古マンションの購入に消費税がかかるケースはどんなとき?

中古マンションの購入を検討する際、「消費税がかかる物件かどうか」は、最初に確認すべき重要なポイントです。なぜなら、消費税がかかる場合とかからない場合では、物件価格が数百万円単位で変わることもあり、資金計画に大きな影響を与えるからです。

特に法人が売主となる中古マンションでは、消費税が課税されるケースが一般的です。これは、法人が営利を目的として事業として不動産を売買しているからであり、税法上「課税取引」に該当するためです。このような課税物件は、リノベーション済み再販物件や、不動産会社が保有していた物件に多く見られます。

以下で、消費税がかかる代表的なケースとその理由を詳しく見ていきましょう。

売主が法人の場合は課税対象になる

中古マンションに消費税が課されるかどうかを判断する一番の基準は、「売主が法人かどうか」です。法人が保有する中古マンションを販売する場合、原則として消費税がかかります。

法人とは、株式会社、合同会社、有限会社などを指し、不動産業者や建設会社、不動産ファンドなどがこれに該当します。これらの法人は、営利を目的として継続的に事業を行っており、不動産の売却も事業活動の一部とみなされます。したがって、売買による収入は課税売上となり、建物価格に対して消費税(現在は10%)が課税されるのです。

たとえば、法人がリノベーションした中古マンションを2,500万円で販売する場合、そのうち建物部分に相当する金額(たとえば1,500万円)に対して10%の消費税が加算され、実際の価格は2,650万円程度になることがあります。このように、同じ条件の物件でも、売主が法人であるかどうかで、最終的な支払額が大きく変わってしまうのです。

また、不動産会社が一度仕入れて再販する物件(いわゆる「再販物件」)は、建物が古くても法人が売主となるため、消費税が課税されることになります。この点は見落としがちですが、実際の資金計画に与える影響が大きいため、確認を怠らないようにしましょう。

一方で、売主が個人であれば消費税は原則かかりません。同じ築年数や立地でも、売主の属性によって消費税の有無が決まるため、購入者としては取引内容をしっかり見極めることが大切です。

中古マンションの消費税がかかるかどうかを見分ける方法

中古マンションの購入時に消費税がかかるかどうかは、最終的な支払額に大きく影響します。特に建物価格に対して課税されるか否かで数十万〜数百万円の差が生まれるため、見極めが極めて重要です。消費税が課税されるかどうかを判断するためには、「売主が誰か」や「価格表示の形式」など、いくつかの具体的なポイントを確認する必要があります。

消費税の有無を見分けることで、購入後のトラブルや資金計画のずれを防ぐことができます。ここでは、その判断に役立つ2つの重要な観点について解説します。

取引態様を確認するポイント

まず最初に確認すべきは、物件の販売資料や不動産会社のウェブサイトに記載されている「取引態様」です。この項目には、「売主」「媒介(仲介)」「代理」などの表記がありますが、特に重要なのは「売主」が誰なのか、つまり個人か法人かという点です。

売主が「個人」である場合、前述のとおり建物部分には消費税がかかりません。一方で、売主が「法人」の場合は、建物部分に消費税が課税されるのが原則です。不動産仲介業者が「媒介」として関わっていても、売主が法人であれば消費税がかかります。

また、販売元がリノベーション物件や再販業者であれば、法人である可能性が高く、その場合は課税対象となるケースが多く見られます。この点は、物件を内見する前から見極められる情報であり、購入検討の初期段階から意識しておくべき項目です。

もし物件資料に売主情報の明記がない場合は、仲介会社に直接確認をとることをおすすめします。売主の情報をしっかりと把握することで、課税対象かどうかを見極める手がかりになります。

価格表示の確認で課税対象を判断

消費税がかかるかどうかを見分けるもう一つのポイントは、「価格表示の形式」です。販売資料に記載された価格が「○○万円(税込)」とあれば、消費税が含まれている総額表示であり、非課税取引または税込価格である可能性が高いです。

一方で、「○○万円+消費税」といった表示がある場合は、建物部分に消費税が上乗せされる課税対象物件であると考えられます。このような表示は、不動産会社が再販する物件や法人売主の取引でよく見られます。

注意したいのは、税別表示や税込表示が必ずしも明確に書かれていないケースもあるという点です。その場合は、「建物価格○○万円、土地価格○○万円」などと内訳が記載されていることもあるため、建物部分に消費税がかかるかどうかを慎重に読み取る必要があります。

また、総額表示が義務化されているにもかかわらず、一部の資料では税抜価格のまま掲載されていることもあるため、表示形式だけで判断せず、不明点は必ず不動産会社に確認しましょう。価格表示は誤解を生みやすい部分でもあるため、しっかり確認することで、想定外の支出を防ぐことができます。

中古マンションの土地部分には消費税がかからない理由

中古マンションを購入する際、「建物部分には消費税がかかるのに、土地部分にはかからない」という仕組みに疑問を持つ方も少なくありません。実際にこのルールは非常に重要で、物件価格の内訳や消費税の計算に直接関わってきます。

結論から言えば、土地は消費の対象ではなく、課税対象の「物」や「サービス」に該当しないため、消費税法上非課税とされています。これは、土地は消費されるものではなく、所有や使用が目的とされるため、一般的な商品やサービスとは異なる位置づけにあるからです。

この考え方は、住宅ローン控除や登録免許税、不動産取得税などの税制度とも密接に関わってくるため、正しく理解することが大切です。

土地が非課税となる法的根拠とその意味

土地が非課税とされているのは、消費税法において「土地の譲渡および貸付は非課税取引」と規定されているためです。これは、土地という資産が「消費される」ことを前提とした商品とは異なり、単なる所有権の移転に過ぎないため、消費の概念に当てはまらないと解釈されているからです。

たとえば、マンションを購入する場合、「建物」と「敷地権(=土地の持分)」がセットで販売されることが一般的です。このうち、建物部分に対しては課税される可能性がありますが、土地に相当する敷地権部分には消費税はかかりません。そのため、物件価格の内訳が提示される場合、「建物価格+土地価格(非課税)」と分けて記載されているケースが多くあります。

この非課税のルールは、課税物件か非課税物件かを判断する際にも重要なポイントとなります。仮に建物価格が課税対象であっても、土地部分には消費税がかからないことを前提に資金計画を立てる必要があります。

土地が非課税であることの購入者へのメリット

土地部分が非課税であることには、購入者にとって明確なメリットがあります。ひとつは、購入価格の中に占める土地の割合が大きいほど、課税対象となる建物価格の比率が下がるため、結果として支払う消費税が少なくて済むという点です。

たとえば、5,000万円の中古マンションを購入する際、土地部分が2,000万円、建物部分が3,000万円だった場合、消費税は建物に対してのみ課税されます。仮に建物部分が課税対象であれば、3,000万円 × 10%=300万円が消費税となりますが、土地部分には一切課税されません。土地の割合が大きければ、その分消費税負担を抑えることができるというわけです。

また、不動産価格全体のなかで土地の割合が多い物件は、将来的な資産価値の維持にもつながる可能性があります。土地は原則として減価しないため、資産価値の下落が抑えられるという利点もあり、長期的な投資としても魅力的です。

このように、土地が非課税であることは、単なる税負担軽減にとどまらず、資産としての安定性や投資効率にも影響を与える要素となるのです。

仲介手数料や司法書士報酬など付随費用にも消費税がかかる

中古マンションの購入では、物件価格だけでなく、さまざまな「付随費用」が発生します。多くの購入希望者が物件価格の消費税にばかり注目しがちですが、実はこれらの付随費用の多くにも消費税がかかっている点に注意が必要です。たとえば、不動産会社への仲介手数料、司法書士への登記報酬、住宅ローンに関わる金融機関の手数料などがこれに該当します。

これらのサービスは、法律上「役務の提供」とみなされるため、消費税法により課税対象となります。そのため、非課税の中古マンションを購入したとしても、最終的な支払い金額には消費税が含まれていることが少なくありません。

「中古マンションは消費税がかからないからお得」と考えていると、予想外の税金負担に驚く可能性もあります。したがって、付随費用にも消費税が発生することを念頭に置いて、予算計画を立てることが大切です。

仲介手数料にかかる消費税

不動産を購入する際、多くのケースで不動産会社が「仲介」役を務めます。この仲介業務に対して支払うのが「仲介手数料」です。この手数料には消費税がかかることを見落としてはいけません。

たとえば、4,000万円の物件を購入する場合、仲介手数料の上限は「(物件価格 × 3%)+6万円」となり、126万円です。ここに消費税(10%)が加算され、合計で約138万6,000円となります。このうち12万6,000円は消費税にあたるため、無視できない金額です。

「仲介手数料込み」と書かれている場合でも、それが税込価格なのか税抜価格なのかをしっかりと確認しないと、後から「思ったより高い」と感じてしまう原因になります。

また、売主が個人であって物件自体に消費税がかからないケースでも、仲介手数料は不動産会社が「課税事業者」であるため、必ず課税されるという点を理解しておきましょう。

司法書士報酬にかかる消費税

不動産購入後、登記に関する手続きを行うためには司法書士の力が必要です。このときに支払う「司法書士報酬」についても、サービス提供の対価として消費税が課税されます。

たとえば、所有権移転登記や抵当権設定登記などを依頼した場合、その報酬として5〜10万円程度の費用がかかりますが、ここにも10%の消費税が加わるため、実際の支払い額はさらに上乗せされます。

司法書士報酬は、事務所によって金額が異なる場合がありますが、消費税分が含まれているかどうかは見積書などで確認が可能です。「思っていたより高額だった」とならないように、契約前に内訳をしっかり確認しておくことが重要です。

金融機関に支払う手数料にも消費税が発生する

住宅ローンを組む際には、金融機関に対しても事務手数料などの各種費用が発生します。これらの多くにも消費税がかかるため、注意が必要です。

代表的なものとしては、融資事務手数料や保証料などがあります。特に「定額型」の融資事務手数料(たとえば「55,000円(税込)」など)は、明確に消費税が含まれており、非課税の物件を購入したとしても、このような金融機関関連費用には消費税負担が生じます。

一方で、ローン保証料などの一部費用は消費税が非課税となることもあるため、費用ごとに課税・非課税を正確に確認しておくことが、資金計画のズレを防ぐカギとなります。

中古マンション価格表示に含まれる消費税の見方とは

中古マンションの購入にあたって、消費税がかかるかどうかを見極める重要な手がかりのひとつが「価格表示」です。しかし、不動産広告や販売資料に記載されている価格がすべて同じルールに従っているとは限らず、表示方法によって課税の有無を誤って判断してしまうケースもあります。

たとえば「○○万円(税込)」という表記があると、すでに消費税が含まれているように見える一方、「○○万円+消費税」や「税別」などと書かれていると、追加で消費税がかかることを意味します。価格表示の方法には一定のルールがあるものの、実務上は不動産会社によってばらつきがあるため、購入者は正しい知識をもとに自ら確認することが必要です。

特に注意すべきは、消費税がかからない物件にも関わらず、誤って税込表示と勘違いし、トータルコストの見積もりを誤るケースです。このような認識のズレは、資金計画やローン審査に影響を及ぼすこともあるため、慎重に見極めなければなりません。

価格表示の形式とその意味を正しく読み取る

不動産広告における価格表示は、消費者にわかりやすく表示されるべきとされており、原則として「総額表示」が求められています。たとえば「2,980万円(税込)」といった表記は、建物価格と土地価格、さらに課税対象であれば消費税まで含んだ総額であることを示しています。

一方で、建物部分と土地部分が分けて表示されているケースや、「税別」「+消費税」といった表記がある場合は、建物部分に別途消費税が加算されることになります。たとえば、「建物価格:1,800万円+消費税、土地価格:1,200万円(非課税)」という表示であれば、建物部分に180万円の消費税がかかることが読み取れます。

ただし、価格表示においては不動産会社ごとの運用に差があるのも現実です。なかには、建物・土地の内訳が明記されていないこともあり、消費税の有無が一見してわかりにくいケースも存在します。そのため、「税込価格なのか」「税別価格なのか」、さらには「消費税が実際に課税されているのか」を、資料上だけでなく担当者に必ず確認することが大切です。

また、建物部分に消費税がかかる場合、その影響は単なる価格表示だけにとどまりません。たとえば、消費税が課税されることで住宅ローン控除の対象が拡大する場合もあるため、価格表示を正確に読み取ることで税制上の優遇も享受できる可能性があります。

中古マンションの消費税の計算方法を知っておこう

中古マンションの購入では、物件価格の内訳だけでなく、消費税の計算方法を正しく理解しておくことが重要です。なぜなら、売主が法人である場合、建物価格に対して10%の消費税が課され、その額は数十万から数百万円に達することもあるからです。

誤って「税込価格」と「税別価格」を混同してしまうと、想定より大きな出費となり、資金繰りに影響を及ぼしかねません。また、消費税の有無は、住宅ローン控除や補助金の適用条件にも関わってくるため、購入者としては正確な知識を持つ必要があります。

ここでは、中古マンションの消費税の基本的な計算方法と、実際の計算例をもとに、誰でもわかりやすく理解できるよう解説します。

中古マンションの消費税の計算方法と考え方

中古マンションにおいて消費税がかかるのは、建物部分の価格のみです。土地部分は非課税であるため、消費税は発生しません。したがって、消費税を計算するには、まず物件価格のうち「建物部分の価格」がいくらかを明確にする必要があります。

たとえば、物件全体の価格が4,000万円で、内訳が「建物2,500万円」「土地1,500万円」とされている場合、このうち建物部分の2,500万円が課税対象となります。ここに消費税率10%をかけることで、消費税額は250万円になります。

計算式は以下のとおりです。

建物価格 × 消費税率(10%)= 消費税額

つまり、

2,500万円 × 0.10 = 250万円

注意すべき点は、価格表示が税込か税別かによって、この消費税額の扱いが変わるということです。「2,500万円(税込)」と記載されていれば、すでに消費税が含まれており、税抜価格はおおよそ2,272万円、消費税は約228万円になります。一方で、「2,500万円+消費税」と表記されていれば、税抜価格がそのまま2,500万円で、消費税が別途250万円加算され、合計2,750万円となります。

このように、同じような価格帯の物件でも、表示形式や内訳の考え方によって、実際の支払い総額が大きく異なることがあります。したがって、内訳をきちんと確認し、物件価格のどの部分に消費税が課されているのかを明確に理解することが非常に大切です。

また、建物価格の割合が高い物件では、それだけ消費税の額も大きくなるため、購入の判断材料として消費税額をしっかり計算しておくことが、後悔のない選択につながります。

消費税の有無が住宅ローン控除に与える影響とは

中古マンションの購入時に「消費税がかかるかどうか」は、単に購入費用の違いだけでなく、住宅ローン控除の適用条件や控除額にも大きな影響を及ぼします。住宅ローン控除は、一定の条件を満たすことで、借入金の残高に応じて所得税や住民税が軽減される制度です。

一見すると、「消費税がかからない方が安くてお得」と考えがちですが、住宅ローン控除の制度上、実は「消費税がかかる物件」の方が控除期間や控除上限額の面で優遇されることがあります。これは消費税増税による消費の落ち込みを緩和するため、政府が設けた救済措置の一環です。

ここでは、消費税の有無によって住宅ローン控除にどのような差が生まれるのか、その具体的な内容を解説します。

住宅ローン控除の基本的な仕組みと控除条件

住宅ローン控除とは、住宅取得のために金融機関から借り入れをした際、年末時点のローン残高の一定割合を所得税から差し引くことができる制度です。一般的には、控除期間は10年〜13年、控除額は年間最大40万円(新築の場合は50万円)などが設定されています。

控除対象となるには、以下のような条件を満たす必要があります:

  • 床面積が50㎡以上であること

  • 返済期間が10年以上の住宅ローンであること

  • 所得が2,000万円以下であること

  • 自ら居住するための住宅であること

  • 物件が一定の耐震基準を満たしていること

また、消費税が課税される物件(売主が法人)と課税されない物件(売主が個人)では、控除の対象となる金額や期間が異なります。つまり、「消費税がかかる中古マンションを買った方が、住宅ローン控除の面では有利になる可能性がある」という点を見落としてはいけません。

消費税の有無による住宅ローン控除の違い

消費税が課税される物件を購入した場合、住宅ローン控除の適用上限額や期間が拡大される傾向があります。たとえば、以前の制度では消費税課税物件に対して、控除期間が13年間に延長される特例が設けられていました。

一方で、消費税がかからない個人売主の中古マンションの場合、原則として控除期間は10年間、控除額も建物価格やローン残高に応じた上限となり、消費税課税物件と比べてやや控除の恩恵が小さくなるケースがあります。

これは、政府が住宅市場の安定や景気対策として、消費税課税物件の購入を促進したいという背景に基づいています。そのため、同じ価格帯の中古マンションでも、売主が法人であるか個人であるかによって、最終的な税制メリットに差が生まれるのです。

ただし、非課税物件でも住宅ローン控除が受けられないわけではありません。あくまで差が出るのは控除の「上限額」と「期間」ですので、購入を検討する際には、課税・非課税による控除差額をシミュレーションした上で判断するとよいでしょう。

中古マンションの消費税以外にかかる税金も確認しておくべき理由

中古マンションの購入時、多くの方が「消費税がかかるかどうか」に意識を集中しがちです。しかし実際には、消費税以外にもさまざまな税金がかかってきます。これらの税金を正確に把握せずに購入を進めると、後から予想外の出費に直面することになり、資金計画が狂う原因にもなりかねません。

特に注意したいのが「登録免許税」「不動産取得税」「固定資産税」の3つです。これらは中古・新築に関係なく発生するもので、物件価格や取得タイミングによって金額が大きく変動するため、事前にしっかりと確認することが不可欠です。

ここでは、それぞれの税金がどのような性質を持ち、どのように課税されるのかを具体的に解説していきます。

マンション購入時にかかる税金とは

マンションを購入する際にまず発生するのが「登録免許税」です。これは、購入した不動産の所有権移転登記を法務局に申請する際に課される税金です。登録免許税の税率は、原則として不動産の固定資産評価額に一定の割合(通常2.0%など)を掛けて算出されます。ただし、住宅用の特例措置などによって軽減税率が適用されるケースもあります。

次に、「不動産取得税」があります。これは、不動産を取得した際に都道府県に納める地方税で、やはり固定資産税評価額をベースに税率(一般的に4%)を掛けて計算されます。こちらも新築住宅や耐震基準適合住宅などの要件を満たす場合、軽減措置がありますが、中古マンションでは条件によって対象外となることもあるため、注意が必要です。

最後に、「固定資産税・都市計画税」があります。これは、物件を所有している間に毎年発生する税金で、購入年の翌年から支払いが始まります。購入年度は売主と日割りで精算することが多く、引き渡し時に一括で支払うケースもあります。

これらの税金は、物件価格には含まれていないため、購入費用とは別に準備が必要です。仮に3,000万円の中古マンションを購入した場合でも、登録免許税・不動産取得税・固定資産税などを合算すると、合計で数十万円〜100万円近くになることも珍しくありません。

これらを見越して資金計画を立てることが、安心して不動産取引を行うためには不可欠なのです。

 

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